こんにちは〜 佐藤 誠です。
前回までの状況
他に体調が悪いわけではないけれど、咳が出だしたので、緊急事態宣言真っ只中の状況を鑑み、悩んだ末に出社を自粛した私。
せっかく会社を休んだのだから「できることをちゃんとやっておこう!」と近所の町医者の電話診察を受け自宅で安静にしていた矢先、上司や仕事仲間から次々に電話が!?
挙げ句の果てに、上司から「保健所のコロナウイルス対策窓口に電話してみてください」と指示が出たのです。
上司の指示通り保健所に電話するも「コロナウイルスの検査はお医者さんの指示がないと行えない」との一点張り。
やっぱり、検査は諦めて自宅療養するしかないかな?
これで終われたらよかったのですが・・・
病院で肺炎になってないか?調べることに
諦めかけていたところ、また上司から電話が入ってきました。
「病院のCTで肺炎の兆候がないか?調べてみて」との電話でした。
軽傷ですと言い続けるのも言い訳がましくなるし、この際、潔白を証明しようと近所の総合病院に電話をかけることにしました。
その病院の電話口でも「風邪の症状の方は診察をお断りしております」と断られそうになるところを、図々しくも食い下がってみました。
「熱も平熱で、倦怠感もなく、咳が出るだけなんです!」
「でも会社を休んでいて、何らかの診察結果を伝えないと納得してもらえないのですーー!!」と・・・
すると看護婦さんが、「一度先生に聞いてみます」と確認に行ってくれました。
その結果、「夜の診察ならお受けしますが、CTやレントゲンを撮られるか?は先生がお決めになります」とのこと。
アポイントが取れたことに、少しホッとしたのも束の間で、もし検査の結果、肺が真っ白だったらどうしよう!?
・・・そんな不安が頭によぎりました。
実際の病院の現状に驚き!
病院に着くと体温計を渡され問診票に記入をしていきます。
どうやら新型コロナウイルスを意識した問診票で、「息苦しさや呼吸困難な症状はありますか?」などの設問が並んでいます。
ここで追い返されたら大変!とばかりに咳以外は体調不良全くなし!と書き込み、次の診察ステージへ向かいます。
それにしても病院が空いていることに驚きました。
「今病院に行くと新型コロナウイルスに感染する可能性があるから行かない方が良い」なんて仲間たちと話していたのに、現実は全く違いました。
250床ほどの中規模総合病院なのに、フロアには患者が3〜4人いるだけのガラガラ状態。これなら感染リスクも少なそうだ。
看護師さんたちも暇そうにお喋りを楽しんでいる。
どうやら、世に言う「医療従事者の奮闘」は、新型コロナウイルス患者を受け入れている病院だけの話しのようです。
そんなことを考えていると、ほとんど待たされることなく診察の順番が回ってきました。
レントゲンとCTスキャンを受けられる?
診察部屋に入ると、40代ぐらいの落ち着いた雰囲気の男性のお医者さんが担当でした。
ゆっくりした口調で、私の症状について問診が始まります。
「少し軟便だけど、熱なし、倦怠感なし、息苦しさなし、味覚障害なし、と咳以外は全くもって普通の体調です。」
「でも、会社を休んでいて、何らかの診察結果を伝えないと納得してもらえないのです!」
「体調は悪くないけど、レントゲンやCTスキャンを撮ってもらえませんか?」
そうまくし立てました。
すると先生は、「わかりました。念のために検査してみましょう」とあっさり了承してくれました。なんか拍子抜けしました。
まず、指先につける機械で酸素濃度を測定。特に問題なし。
続けて、レントゲンやCTスキャンを撮ってもらいました。
診察開始から検査終了まで15分ぐらいと、スムーズに検査は行われました。
そして、間髪入れず運命の検査結果が告げられたのです。
まさかの・・・新型コロナウイルス!?
名前を呼ばれ診察室に入る瞬間、色々な思いが頭に浮かびました。
「もし、肺のレントゲン写真が真っ白だったら」
「・・・次は、連日ニュースでおなじみのPCR検査か!」
「果たして、すぐにPCR検査は受けられるのか?」
「もしコロナ陽性だったら、家族も隔離!!」
「仕事は長期離脱で、最悪はクビ!??」
・・・瞬間、最悪の場合が次々と頭をよぎりました。
自分は症状からしてコロナなはずはないと、変な自信にあふれていたはずなのに。
一瞬にして緊張が充満してしまった身体で、診察部屋へと足を進めます。
頼む、陰性であってくれーー!!
検査の結果は・・・
診察部屋に入ると、先生はモニターを操作しながら、こんな風に検査結果を伝えてくれました。
「この画像のように、CTで肺の細部まで見られますが、全て綺麗ですね」
「レントゲンの結果も、問題はありませんよ・・・」
心なしか、先生が「フフッ」と笑ったように見えました。
その表情にふれて、自分は陰性だと言うことを悟りました。
こわばった身体から力が抜けていきます。
断定はできないが、診察結果は食道炎で、一般的な風邪だそうです。
受付の事務員さんの表情が一変!
窓口に検査料金の精算書を渡し、窓口に近いイスに座って待っていると、高校生ぐらいの女の子が、マスクをつけて問診票に記入をはじめました。
どうやら飛び込みで病院にきて診察を受けるようだ。
女の子が問診票に記入していると、受付の事務員さんの表情が一変しました。
事務員さんは女の子に「息苦しさや呼吸困難な症状がある方は、こちらの病院では対処できないんです!」と告げました。
するとお母さんが飛んできて、大慌てで娘の症状について説明をはじめました。
「この子は普段から鼻炎がちで鼻が詰まりやすくて、そのせいで息苦しいだけなんです!」
事務員さんは「ご本人が、[息苦しさや呼吸困難な症状がある] にチェックされておられますので、当病院では診察できないんです」の一点張り。
「ねえ〇〇ちゃん、鼻が詰まってるだけで、本当に呼吸困難なわけじゃないよね?」
負けじとお母さんも応戦するが、結局は聞き入れてもらえず、不満を口にしながら娘と帰ってしまいました。
目の前で繰り広げられる攻防を見ていて、母子が可哀想に思えました。
下手に息苦しいって言うと、診察も受けられない世の中なのですね?
検査結果を報告すると・・・
検査を終えて、すぐに上司に報告の電話をかけました。
「レントゲンとCTの結果、肺も綺麗でただの風邪だったみたいです!」
すると上司は、「そうですか、良かったです。安心しました。」
「ただし、会社は念のため連休まで休んでくれたら良いです。」
私は驚いて「えっ!?連休までですか?」
上司「こんな世間の状況なので、念のためですよ・・・」
そして、最後に私にとってはとてもショックな一言を残して電話を切りました。
新型コロナの本当の怖さ
私自身、会社や上司のことを悪く書いたりすることは好きではありません。
ですので、なんて言われたか?はここでは書きませんが、コロナの疑いをはらせて喜び、安堵していた私にとっては、非常に心をえぐられるような言葉でした。
ただ、思うに上司や仕事仲間たちも悪気があるわけではないと思います。
想像してみてください。
もし社内の近しい存在が新型コロナウイルスに感染していたら・・・
そう思うと、一時的に命の危険や会社崩壊の危機を、現実のものとして想像し、普通の精神状態ではいられなくなった のではないでしょうか?
自分の身体だけではない、いろんな意味で「新型コロナの本当の怖さを知った」一件でした。