会社や工場で働いていると月末や期末の棚卸を行います。
「ただでさえ通常業務で手がいっぱいなのに、棚卸なんて適当に済ませておこう」なんて思っていませんか?
ところが、手を抜いて全商品の棚卸を行わず、目立つ在庫だけを報告したりしていると、結果的に 自分たちの給料が減る 事になりかねません。
棚卸の意味を知ろう!
なぜ?月末や期末に棚卸を行うのでしょう?
在庫をたくさん持ち過ぎていないか確認する為でしょうか?
それとも、来月の発注数量や生産数量を決める為に必要なのでしょうか?
もちろんどちらの理由も正解ですが、1番の目的は今月販売した商品の原価を知る為に棚卸を行うのです。
原価が判れば、売上から差し引くことにより会社の利益を知る事ができます。
どうやって売上原価は計算されるのか?
みなさんが棚卸を行った金額が、どのように使われるのかを見ていきましょう。
経理の試算表上では下記の様な計算式になります。
前月末棚卸 + 仕入 = 売上原価 + 月末棚卸
・・・数式を出されてもピンとこないですよね?簡単に解説します。
前月末棚卸 は、読んで字のごとく先月の棚卸金額です。
そこに今月の 仕入 を足したものが 今月販売可能な 商品 となります。
その 商品 から 今月棚卸を行った 月末棚卸 を引いた金額が 今月販売した商品の原価、すなわち 売上原価 となります。
(こうする事により、今月売上た商品の原価や、原価率を知る事が出来ます)
数式で表すと・・・
今月販売可能な 商品 = 前月末棚卸 + 仕入
売上原価 = 商品 ー 月末棚卸 となります。
注目すべきは、月末棚卸 を少なく報告すると 売上原価 は増加し、利益を減らすことになります。
実際にあった中小企業の話
知り合いの中小企業の社長さん曰く、
「日々の仕事が忙しすぎて月末の棚卸がキッチリと出てこないんだ。そのせいで利益出てこない」
「ほんとは、これだけ忙しいんだからもっと利益が出ているはずなのに、安心してボーナス金額を査定できないよ」
と実際に安全を見てボーナス額決めておられました。
みなさんも、倉庫を隅々まで調べる手間を省こうと目立つ在庫だけ棚卸を行い、実際より在庫を少なく報告したりすると、
会社の利益が現実より少なく計算され、会社の業績が悪く見えてしまいます。
その結果、あなたのボーナスが減らされるかもしれませんよ?!
自分達のボーナスのためにも、棚卸はもれなくキッチリと調べて報告しましょう!